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システムを導入したのに増え続けるExcel管理を解消するためには?
2025.03.17 代表ブログ

多くの企業が業務効率化のためにシステムを導入していますが、それにも関わらずExcel管理が増え続けてしまうという課題をよく耳にします。システムを導入したのに、なぜこのような問題が発生するのでしょうか?本記事では、その原因と解決策について詳しく解説します。
よくある課題
SaaSなどのシステムを導入したのにも関わらず、以下のような状況に陥る企業は少なくありません。
・SaaSで管理できない情報をExcelで補完している
・システムの集計機能が不足しており、データをExcelに出力して分析する必要がある
・他のシステムと連携できず、手作業でデータを移行する必要がある
・部署ごとに異なる形式のExcelファイルが乱立し、データ統合が困難
このような状況では、かえって業務の負担が増え、ミスの発生や管理の煩雑化を招きます。
SaaSとは、インターネット経由でクラウドサービスとしてソフトウェアを利用できる仕組みです。PCにソフトウェアをインストールするのではなく、Microsoft EdgeやGoogle Chromeなどのインターネットブラウザを利用して利用するシステムを言います。
SaaSの限界
SaaSは汎用性の高いシステムですが、全ての業務にピッタリと合うわけではありません。せっかくシステムを導入したのに、以下のような課題が発生することがあります。
1. 業務プロセス(業務フロー)に完全に適合しない
SaaSは多くの企業に適用できるように設計されており、個別の業務フローに合わせてカスタマイズすることが難しい場合があります。そのため、SaaSの仕様に業務を合わせる必要があり、結果としてExcelを併用するケースが増えてしまう場合があります。
2. データの集計や加工が柔軟にできない
SaaSの標準機能では、企業が求めるデータ集計や分析が不十分な場合があります。そのため、データを一旦Excelにエクスポートしてから集計・加工を行う必要が生じ、手作業が増える原因となります。
3. 他のシステムとの連携が困難
SaaSは単体で機能することを前提としているため、他の社内システムとデータを連携させるのが難しいことがあります。中にはAPIと言って外部連携するための仕組みを用意してくれているものもありますが、それでもすべての企業の要望を叶えることは困難です。その結果、複数のシステム間で手作業によるデータの転記が発生し、Excelによる補完管理が必要になります。
解決策
SaaSの限界によって発生する多重管理を解消するためには、以下のような対策が考えられます。
1. オーダーシステムへの乗り換え
SaaSでは対応しきれない要件を満たすために、オーダーメイドシステム(フルスクラッチ開発)を導入する方法があります。オーダーメイドシステムは、既存の業務フローに合わせた開発が可能であり、Excelを使用する必要がなくなります。ただし、開発費用が大きくかかる可能性があるため、カスタマイズ可能なレディメイドシステムの導入をおすすめします。レディメイドシステムは、ゼロから開発するわけではないため、フルスクラッチ開発よりもコストを抑えることができます。
2. 連携用システムの構築
すでにSaaSを導入している場合、SaaSのデータを活用しつつ業務の自動化を実現するために、連携用のシステムを開発することも有効です。連携システムを導入することで、以下のメリットが得られます。
・SaaSのデータを自動で取り込み、必要な形式に変換できる
・手作業によるデータ入力を減らし、業務の効率化を実現できる
・部署間のデータ連携がスムーズになり、情報の一元管理が可能
当社の強み
当社では、上記のような課題に悩むお客様に対して、最適な業務フローに合わせたシステムを提供しています。
現在利用しているシステムを無駄にせず、必要な部分だけをカスタマイズすることで、スムーズな移行が可能です。それにより、ゼロからの開発比べて、費用と開発期間を大幅に削減できます。また、お客様の業務フローをしっかりヒアリングしてから設計しますので、業界特有の業務プロセスにも対応し、Excelの管理を最小限に抑えることができます。
事例紹介
10年前に開発したシステムとSaaSの併用による二重管理の解決
ある食品卸売業のお客様は、10年前に開発した業務システムと最近導入したSaaSを併用していました。しかし、以下の問題が発生していました。
・既存システムとSaaSが連携できず、データを手作業で入力する必要があった
・SaaSのデータをExcelにエクスポートし、手作業で管理していた
・二重管理による人的ミスが増え、業務の負担が大きくなっていた
この課題を解決するために、当社ではSaaSと既存システムを連携するためのシステムを開発しました。それにより導入後、以下の効果が得られました。
・データの自動同期により、手作業による入力作業をゼロに
・業務プロセスの自動化によって、これまで行っていた手作業の約8割を削減
・Excelの管理業務を不要化し、属人化リスクの解消
このように、既存システムを活かしながら業務効率を向上させることが可能です。
まとめ
SaaSを導入しても、業務フローに合わない部分があればExcel管理が増え、結果的に業務効率が悪化することがあります。そのような課題を解決するためには、業務フローに合ったシステムの導入や、SaaSと連携するカスタムシステムの開発が有効です。とは言え、お客様毎に抱える課題は十社十色だと思いますので、当社では、企業ごとの業務課題に応じた最適なシステムを提供し、業務効率化をサポートしています。システム運用や、Excel管理に悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
WRITER
吉田 寛
株式会社アリスタイルの代表。得意分野は、お客様のビジネス理解力と、それをベースとした企画開発力です。主にBtoBビジネスのお客様のマーケティングとマネジメント分野の成長・改善をITでお手伝いします。