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「既存の基幹システムとSaaSをつなぎたい」柔軟なデータ連携を可能にするシステムとは?
2025.03.18 代表ブログ

近年、多くの企業が業務効率化のためにシステムを導入しています。しかし、既存の基幹システムと新システムが連携されていないことで、手作業による二重登録や二重管理が発生し、かえって業務が煩雑になってしまうケースも少なくありません。本記事では、その原因と解決策について詳しく解説します。
よくある課題
SaaSなどの新システムを導入したものの、以下のような課題が発生することがあります。
・SaaSと既存の基幹システムが連携していないため、同じデータを二重入力する必要がある
・異なるシステム間でデータの形式が統一されておらず、都度手作業でデータを修正している
・データの更新タイミングが合わず、どちらの情報が最新か分からない
・社内で管理している業務データとSaaSのデータを統合できないため、正確な分析ができない
このような問題が続くと、業務負担が増加するだけでなく、データの整合性が取れずに意思決定を誤るリスクも高まります。
なぜこのような課題が起こるのか?
SaaSは便利ですが、標準機能の範囲では企業の業務プロセスに完全に適合するとは限りません。特に、異なるシステム間のデータ連携には以下のような限界があります。
1. データフォーマットの違い
既存の基幹システムとSaaSでは、データの出力フォーマットが異なることが多く、そのままではスムーズに連携できません。例えば、SaaSからエクスポートしたCSVと基幹システムのインポートフォーマットが異なっていたり、SaaSのデータ構造が固定化されており、必要な情報を適切に取り出せないケースがあります。また、システム間のコード体系(商品コード、顧客IDなど)が一致しないというケースもあります。このような問題があると、データを一旦Excelで整形してからインポートする必要が生じ、手間が増える原因となります。
2. API連携の制約
多くのSaaSはAPIを提供していますが、提供されているAPIの機能が限定的(取得できるデータが限られる)だったり、提供企業側でのAPIの更新頻度が高く、仕様変更に追従する必要があるケース、また、他のシステムと直接統合できるAPIがないケースやAPIを開発してくれるものの高額な費用が発生するケースもあります。そのような制約があり、スムーズなデータ統合が難しい場合があります。
3. 業務フローとのズレ
SaaSは一般的な業務に適した仕様になっていますが、各企業固有の業務フローには対応しきれません。例えば、取引先ごとに異なる計算ロジックが適用されているケースや、特殊なワークフローを経由しないとデータが確定しないケース、SaaSの機能が一部業務にしか適用できず、手作業が発生するといったケースでは、SaaSの標準機能では業務の最適化が難しくなります。
解決策
こうした課題を解決するためには、次の2つの方法が有効です。
1. 新システムに乗り換える
SaaSの制約が業務の効率化を妨げる場合、カスタマイズが可能なレディメイドシステムへの移行を検討するのも一つの方法です。レディメイドシステムなら、自社の業務フローに最適化されたシステムを導入でき、必要なデータ形式で出力・連携が可能です。それにより、業務の自動化をスムーズに進めることが可能となります。レディメイドシステムの場合、自社の仕様に合わせて柔軟にカスタマイズできるだけではなく、ゼロからのスクラッチ開発に比べて費用、開発期間を大幅に削減することができます。
2. 連携用システムを構築する
すでにSaaSを導入している企業の場合、SaaSのデータを活用しつつ、業務を最適化するための「連携用システム」を構築することが効果的です。異なるシステム間のデータを統一フォーマットに変換する機能を実装したり、RPAなどを活用することで、自動的にデータを取得・更新し、手作業を削減することができます。必要に応じてカスタムワークフローを設定することより、二重管理の負担を減らし、業務効率を向上させることができます。
当社の強み
当社では、企業の業務プロセスに最適なシステムを提供し、既存システムを活かしつつ最適化し、業務フローに合わせたシステムを構築することができます。また、ゼロからの開発ではないためコストを抑えられるのも特徴です。
事例紹介
証券会社の基幹システムとSaaSの連携
ある証券会社様では、基幹システムと、新しく導入したSaaSを併用していました。しかし、SaaSと基幹システムが連携しておらず、手作業による二重登録が発生していました。また、データフォーマットの違いにより、Excelで都度調整が必要なこともあり、顧客情報の更新が遅れ、最新データの整合性が取れないという課題を抱えていました。そこで当社では、SaaSと基幹システムをスムーズに連携するためのカスタム連携システムを開発し以下の効果を得ることができました。
・データの自動変換・統合機能を実装
・手作業なしで最新情報を同期することで業務の自動化を実現
・業務フローに合わせたデータ処理を実現
まとめ
SaaSを導入しても、基幹システムと連携できなければ業務の手間が増えてしまいます。その解決策として、レディメイドシステムへの移行や連携用システムの構築が有効です。当社では、お客様の業務課題に応じた最適なソリューションを提供しています。基幹システムとSaaSの連携にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
WRITER
吉田 寛
株式会社アリスタイルの代表。得意分野は、お客様のビジネス理解力と、それをベースとした企画開発力です。主にBtoBビジネスのお客様のマーケティングとマネジメント分野の成長・改善をITでお手伝いします。